むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

地方創生は統一選挙だけの”モメンタム”

 地方創生は、アベノミクスの成功と、統一地方選挙のためだけのものであることが分かってきた。

 アベさんが得意なモメンタムで、「皆さん、一緒にやろうではありませんか」と叫ぶ。叫ぶだけで具体策がない。

 「地方が直面する構造的な課題は深刻」と言いながら、その分析も方針も具体策も示さない。気合だけである。

 次に、地方の成功事例をいくつか上げているが、これらは単なる事例であって、アベさん自身が考えた具体策ではない。要するに、現状の問題や課題を把握・分析・提示することから始めるのではない。

まち・ひと・しごと創生本部会合で示された2020年までの総合戦略の重点5分野は、基本的な部分で多くの欠陥を抱えている。

 雇用では、地域産業の雇用創出や農業・観光の産業基盤強化を謳うが、産業構造改革や岩盤規制緩和を素通りしている。

 子育てでは、結婚から子育てまでの切れ目ない支援を謳うが、低い給与が根本的な障害になっていることを避けている。

 行政の集約と拠点化では、拠点都市の集約や中山間部の支援を謳うが、仕組みすら述べていない。

マイルドヤンキーを取りこめれるか?


 思いつきや成功例といった表面だけの「経験」と「カン」を断ち切ることだ。

 そこでいつも引き合いに出されるのが「若者」だが、日本社会で一定の集合体を構成しているマイルドヤンキーは、とてつもない柔軟さゆえに難事業だが、ターニングポイントをにぎっているだけにここからの取りこむ手だてが先決だ。