むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

【お題】さむい

わが背子(せこ)と 

二人見ませば

幾許(いくばく)か

この降る雪の

嬉しからまし

(巻八の一六五八番、光明皇后の歌)

歩みは単独もいい。

倚り添う歩みは、なおいい。

雪の降る無闇。

沈黙を互いに聴く。

時間(とき)は、どれほどの寒さをも嬉しい。