むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

太根 生死輪廻

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 幸田 文さんの名著『木』を読んでから、草木に心をよせるようになった。

 雪国でくらしていて美しいと思うながめは、真冬の落葉樹のさまである。
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 烈風、大雪にたえ、寒気をしのぐために、必要ぎりぎりのもの以外の一切をすて、アバラボネだけになっている姿である。

 枝は血管ともとれ、幹も皮膚ともとれ、躍動感いさましい。
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 春にもっとも近く位置している。

 生存の座標軸である。

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