むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

編集って何だ? かたちが見えないからボランティアでいいよね?

 「編集っていう作業は、かたちが見えないからボランティアだね」

 自治体の本づくりに携わっていると、決まって指摘される。唖然とする。

 長いので6年はかかる。

 用紙の紙質から文章の統一まで、編集のノウハウすべてをつぎ込む。すべてが白紙になったばかりか、お金がもらえない。

 愕然。もうケッコウ!
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 おしなべて自治体は、この程度の認識しかない。編集にかぎらず、原稿料も撮影代もあいまいで、寸志である。

 それに比べ、優遇されているのが、デザイナーである。2、3年の駆け出しでも、いっぱしの値を吹っかけてくる。

 器用な立ち振る舞いはしたくない。職人気質のようなところがある。ナリワイとすれば、下手である。「要領よく」と嘲笑されるが、うしろめたいように思える。

 自治体の本は、文章はやや劣ろうとも、住んでいるひとが愛着をもって、掘り下げて書けば親しみがわく。外部のひとが取材しても限界がある。その手助けをするのが編集者である。

 主人公はその土地のひとである。あくまでも、編集者は、黒衣である。徹底的に。おもてに出てはいけないのである。