むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

貌のういういしさ

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 みつまたの貌は、まだ固くとじたままだった。

 亡き父親が山で栽培していた一株を、自分でつくった庭園に植栽しているものだ。

 手入れしなくても、みつまたは、おのれの生命力で生きる。

 勁い。  

 刻々の色彩も、まだ化粧していない。

 なんとも表現しょうもない微妙な美しさをはなつ。

 黄色とひと言で表現できない艶がある。

 尊厳すら感じる色合い。自然との妙か。

 呼ぶ春。