<しれしれ>って?
愛してやまない田辺聖子センセイから学んだことばです。
「寝込みを襲われても、不意を打たれても、動ずる色なく、というしたたかさ、それでは粗放なずぶとさか、というと、そうではなく、細くてしなやかながら勁(つよ)い」
(小さな蕾)
書くことは、ひとつのものを作り上げることだから、なるたけひとさまの使っていない言葉や手垢のつかない言葉、ひとさまが忘れている言葉、そんなにめぐりあうと、ニヤッとする。
心ない一行で、いっぺんに、それまでの興趣が削がれてしまう。