むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

漂泊者 

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 時間を惜しまず、ゆっくりと、ものやことに付き合っていく。

 肩肘を張らない暮らし。

 余計なものはそぎ落として、生命の根っこ、美を追い求める。

 画家の堀文子さんは、「90年も生きていると、知らないことばかり増えて大変」と、面白がっておられる。

 慣れることが嫌い。群れることが嫌い。頼ることが嫌い。

 「お金があって、子どもがいて、いい夫がいて出世して、ぜい沢をして。それを世間では幸福というらしいが、わたしには必要ない。いくらか不幸で不満があるほうが、ちょうどいい」

 独りで生きる覚悟。

 「漂泊者のなれの果て」とまで言い切るが、凡人にはマネができない。