むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

絵に描いたもちの「農村回帰」論

 「人口消滅」に対論する「農村回帰」論。

 若者のIターンによって集落の人口が増え、高齢化をストップさせる。

 できるところはやればよい。よそ者を受け入れる地理的・経済的・歴史文化、そして呼び込む人脈やリーダー的人材などが整っていたら、大いにやって人口を増やすとよい。

 可能な集落は、全体の0・01%くらいだ。

 田舎を目指す若者が増えていると言ってもケタが小さすぎる。集落維持にはとても足りない。

 ドタバタすることで、集落内に亀裂が走り、さらに新参者との調整に疲れ果てて、逆に消耗してしまう可能性の方が高いと思う。

 絵に描いたもちといえる。

政府が唱えるのは地方「創生」。
地方再生でも地域振興でもない。

 できるだけ穏やかに、静かに消えること。人口を増やすより、今いる住民が無理なく暮らせる環境を維持しつつ幕を引くことだ。