むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

地域づくりに、NPOは向かない

 NPO法人は、地域づくりには不向きである。

 税制の問題である。

 地域づくりをするためには資金が必要だ。収益事業を行うのが通常だが、この収益にはきっちりと税金がかかり支払わなくてはいけない。株式会社などと同じだ。

 地域づくりのためには非営利のお金にならない事業も行うことが少なくない。当然、赤字だ。

 株式会社などなら、収益事業で上げた利益を儲からない事業の補てんに回すのが通例だ。そうしたら払う税金がコストを引いた分だけ安くなるだろう。これを利用して、常に投資を続けて赤字決算して税金を払わない企業も少なくない。

 NPO法人には、それが認められていない。

 収益事業と非収益事業はしっかり分けて、利益の出た事業にはしっかり税金をかける。だが儲からないところに資金を融通することは経理上できないことになっている。

「税金ばかり取られます。不採算部門は切り捨てるしかなくなる。ボランティアでしろというのなら、地域づくりはできない」

 株式会社のほうがよい。

 NPOの方が、世間的には共感を呼びやすいとか特典もあるだろうが、経営のことを考えるとそんなに甘くない。事業即地域づくりという形態の方がよさそうだ。