むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

忘れさられた一村一品運動。その落としアナ

 一村一品運動が、農山漁村に広がったことがあった。

 もう過去のことだ。忘れさられている。

 ご当地の物産をつくろうとした。だが、成功したところは多くない。

 肝心の一品が プロダクトアウトな作り方だったからだ。生産者のつごうで選ばれ、生産されたのである。

 余っているもの、作りやすいものを「地元産品」に指定したのである。

 商品力がなかった。アイデアと努力があれば、最初は魅力のなかった産物も変身させることができるのだが、その力もなかった。

 村あげて一つの品の生産に取組み、モノカルチャーに陥ってしまったケースもあるようだ。もしそれが売れなかったら、村は行き詰まる。

マーケットインから商品づくりをするべきだろう。素材が余っているもの、作りやすいものであっても、目の前の産物をマーケットに合わせて加工する努力をしなければならない。売れる流通販売のシステムがなかった。

 地産地消の典型である家庭菜園の野菜を、外部でよく売れる商品にしてしまった地域もある。こちらは少量で普通の野菜を地元以外でも売る、新しい売り方を考えた結果である。

 今ならネットもあって、新しい販売チャネルづくりはかなり多岐になった。

 小さな生産地=小さな消費地に陥ってはキケンである。