むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

鉄柵で覆われる里山の田んぼーー限界集落・新田の四季 1

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 なんという醜さだ。里山の田んぼが、いっ変した。

 田植えを終えた姿は絶景だったが、いまや、殺風景となった。

 新緑に映える棚田は見れなくなった。

 「この冬だけでも、シカを100頭ちかく捕獲したな。これだけいじめられると、米は自分たちが食べる分をつくるんで精一杯だね」

 シカ対策に、田んぼをぐるりと鉄柵で覆っている。

 耕作放棄地も2倍となった。
 美林でしられる智頭町新田地区。森林はきれいに手入れされている。田んぼの畦(うね)の雑草も、なめるように刈ってある。

 急変したのは、畦の上を覆う鉄柵。むごたらしい。

 シカ、イノシシなどが里山に下りてくることで、村人の生計もさま変わりする。死活さえ、のしかかる。



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