ことしも、ムラに秋祭りがやってきた。収穫に感謝する秋祭りは、ムラがきり拓かれた江戸時代初期から途絶えることなく続けられてきている。
祭りの主役ともいえる「花かご」の大役は、伝統的に集落の未婚の若い男性がになってきた。
とはいえ、集落から若い男性がいなくなってからは、外部のひとでもかつげるようにしている。
ムラびとが全員参加すると思われたが、約半数ばかりだった。
花かご役のひとが頭にのせるかごには、130本の竹ひごに五色の色紙がまかれている。氏子の数である。
五穀豊穣に感謝する願い、思い、祈りが込められた花である。
竹ひごの花は、まるいかたちにして、家々の屋根に放り投げられ、「厄除け」とされる。家にわざわいが来るのを防ぐ。