むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

「聴く」と「待つ」こと

 今の社会の評価制度においては、人の話を聴くこと、人の気づきを待つことは、能力として評価されない。しかし本来、「聴く」ことも「待つ」ことも、広義の人をもてなすことの核をなす大切な営みであるはずである。

 ひと言でいえば、(他者に)「時間をあげる」ということである。

 「聴く」ことと「待つ」ことが正当に評価され、重んじられるようになったとき、人びとの対話力も鍛えられ、「噛みきれない想い」をじっくり吟味する豊かな心も育まれてゆくだろう。