むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

人生の現在地

 湖は風景のなかで、もっとも美しく表情に富んだ地形的要素である、といわれている。大地の目である。

 そこをのぞきこむひとは、自己の本性の深さを測ることになるだろう。

 水辺に生えている樹々は、目をふちどる睫毛であり、森におおわれた周囲の丘と断崖は、目の上におおいかぶさる眉毛である。