むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

こころのドア

 逃げることは悪いことではない。前に進めなくて立ち止まるくらいなら、全力で後ろ向きに走ればいい。尻尾を巻いて逃げてしまえばいい。

 どんな道にも行き止まりはある。

 道の行き止まりに立っていることに気づかずに、前に進めないともがき続けるくらいなら、来た道をちょっとだけ戻って、やり直してみればいい。

 身動きが取れないことに絶望的になって、自ら命を絶ってしまうくらいなら、誰も追ってこないところまで、全力で逃げればいい。