むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

空疎な平成30年

 平成の30年は、有名になったものが勝ちの社会にしたてた。政治家、学者、作家、芸人。有名になりたがり、有名を売り込むことに汲々とした。

 有名になれば芸のない芸人でも、お座敷がかかる。学識のふかくなさそうな学者でも、講演の依頼がはいる。テレビからお声がかかる。才能のゆたかとおもえぬ作家の二番煎じの本でも、売れる。

 テレビに取り上げられれば、ひとも集まる、お金も入る。

 いいものが売れるのでなく、売れたものがいいものだという転倒した「価値観」が定着した。平成を汚染した。

 少しは期待されたネットは、扇動、炎上。

 空疎。

 魂が帰りたがっている場所をさがしている。