むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

農起業の学生は、風の人の感覚がいい

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 定年後、京都の大学院ゼミで「農村社会学」をまなんだ。フィールドにもでた。農村での地域づくりの現場に、学生が駆り出されることがおおくなった。でも、若者が都会に憧れる時代は終わりつつある、と感じる。

 感じるだけだ。

 たまたま町のイベントから地域づくり活動に目覚め、それを田舎に移行させた場合もある。玉石混淆だが、発展して本格的な「ビジネス」として実践するひとも出てきた。地域づくり、あるいは経営学の中に「学生起業」というカテゴリーを作れないかと考え出した。

 学生の”農起業”は、特色がある。

 向こう見ずとか、思いつきとか、読みが浅いものも少なくないのだが、若さゆえ地域に受け入れられやすかったり、行動力、瞬発力、そしてネットワークなどが新鮮な学生も多い。

 もう一つ、その地域に骨を埋めるほどの覚悟を固めているわけではないことだ。これは通常なら弱点だが、むしろフットワークの軽さが幸いすることもある。気軽に飛び込み、地域に大きなインパクトを与えつつ、時期が来たらさっと去っていく姿はすがすがしささえある。

 土の人から風の人になってもいい。緩やかなつながりである。