むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

新春がゆらめく蠟梅

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 むらを歩くと、「ろうばい」のにおいがたつ。気品たかい黄色と、芯のほうにムラサキを帯びた香りたかい花びら。花名のとうり、ろう細工のような花びらをもつ。

 ひと枝もらって、床の間にかざる。部屋じゅうが匂う。花がすっかり咲ききると、お湯にうかべるのが習慣となっている。

 梅だとばかり思っていたら、そうではない。梅はバラ科だが、ろうばいは「蠟梅科」である。「蠟梅科」に、ほかの花名はない。ろうばいが元気なあいだは、部屋にいるのがたのしい。

 新春がゆらめくが、まだ1月なかばである。
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