むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

2015-01-30から1日間の記事一覧

雪点描

うち霧(き)らし 雪は降りつつ しかすがに 吾家(わぎえ)の園に 鶯(うぐいす)鳴くも 大伴家持 わが夜の雪ふりつもる 放哉 又一人雪の客が来た 放哉

呼ぶ春

蕗の薹 食べる空気を 汚さずに 細見綾子

大正期 7歳で夭折した少女の息吹き  ①

<こぼれるような 雨がふる 木のは と雨が なんだかはなしを するようだ 山もたんぼも雨ばかり びっしょりぬれて うれしそう (雨と木のは)> 詩情があふれでている。 7歳の幼齢の少女が、生み出した世界である。90年のときを経ても、問いかける。 少女…

現代の松原岩五郎か! 東京板橋のスラム住民を活写

小板橋二郎さんには、非礼かもしれないが、現代の松原岩五郎である。 「貧民探究者」。 「都会のスラムというものが一人の人間の幼年から少年期にかけてどれほど自由でエキサイティングですばらしい社会だった」ーーこう述懐する。 板橋の貧民屈・岩の坂で少…