むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

腹七分目の暮らしが楽しい

減速経済の世だから、「腹七分目ぐらい」の暮らしがいい。となりの芝生は気にしない。楽しくないことには手をださないことだ。 このさきも、あらゆる格差が顕著になる。住んでいる限界集落は、これまでよりもはやくに消滅へと急降下していくのは自明の理であ…

年々歳月

まいとしの暮れに、書きおろす。四文字。年をへるごとに、かすれてくればいい。 百。

共に、共に、共に

足繁く本屋さんにかよった一年だったが、買った本は1冊。「農から明日を読む」(星寛治、集英社新書)だけだった。<小さな共生社会>が心に残っている。 共に支え働く、互いを認めて評価しあう、共にいきるーー「共」の一字がきわだったように感じる。皮膚…

山のテッペンにあるパン屋さん

標高550メートル。棚田が一望できる”集落一”の高台に、パン屋さんはある。初めて訪れるひとは、誰もが「こんな辺ぴなことろに」と首をかしげる。 切り盛りするのは老夫婦だけだったが、数年前から息子夫婦がUターンして継いでいる。金、土、日、月曜日の…

畦を囲む鉄柵のむごたらしさ

なんという醜さだ。ことし5月の鳥取・新田集落の田んぼが、いっ変した。 田植えを終えた姿は絶景だったが、いまや、殺風景となった。 新緑に映える棚田は見れなくなった。 「この冬だけでも、シカを100頭ちかく捕獲したな。これだけいじめられると、米は…

韓国のユーチューブ事情

年の瀬に思う。ことし1年、ユーチューブばかり見た。となりの韓国のだ。変わった現象がおきている。 政治番組がはやっている。「中立的な既存の地上波テレビ」に飽きたらない視聴者が、主張のはっきりした番組を選んで見ている、という。 福祉や雇用、北朝…

歴史に学ぶことをしなくなった村人

いつのころからか、村に暮らすひとは、歴史から学ぶことをしなくなった。イノシシ、シカ、サルの横行で、野菜が食い荒らされる被害が大きくなっている。 昭和30年代後半、こんにちのような被害がでている。山村の過疎化、焼畑の衰退に起因すると、されてき…

モノがない倖せ

ここ3年、肌着は買ったことがない。Tシャツを2着ほど新調するぐらい。とにかくグンゼが気に入っている。丈夫で長もち。洗たくしても、肌着なのにかたくずれしない。 ワイシャツも、無印で、たまに買うごらい。「衣」がその程度。「住」も、傷んだところは…

小豆をたっぷり使った鳥取の甘い雑煮

雑煮は、家の数だけある、とさえいわれる。 列島で一か所だけ、鳥取県では、三が日のあいだ、小豆仕立ての甘い雑煮を食べる。ふしぎに思えるが、おせちは酒の肴である。しょっぱい味のものがほしくなる。米飯を食べない正月のあいだは、雑煮でバランスをとる…

ムラが消滅するまでの道筋

四年前に、こう書いた。ムラが消滅するまでの道筋である。(1)はじめに 「人の空洞化」→「土地の空洞化」→「ムラの空洞化」→「ムラの消滅」 これを前から順に言い換えれば、「過疎化」→「耕作放棄(減反)」→「社会的空白地域化(集落機能の極小化)」→「…

むらは亡ぶ

平成20年から、一人であったり、数人であったりしながら、「むら」のことを歩きながら思っている。時代がたつにつれ、悪化している。とくに、行政の劣化がはげしい。たとえば、県、たとえば、市。職員が減った。仕事の問題意識、責任感がまるでなくなった…

昭和期に、ワーカーズコープを説いていた

なんとも、いさましいタイトルの本が出た。「農山村は消滅しない」 (岩波新書)である。著者の小田切徳美先生とは、現場で2度ほどあったことがある。総務省の仕事なども、たくさんやっておられる。 現場は、たくさん歩いておられる。読んでみたが、参考にな…

「ポスト原発」のため列島に風車をつくるようだ

ぼくの住む集落が、限界集落の仲間入りをした。つぎに待ち受けるのは、いつ、消滅集落になるか、である。カウントダウンが、はじまったことになる。ひとに「死」があるように、集落にも「死」はやがてくる。 どうして「むらおさめ」するのか。なのに、おかし…

「無私」にいきる

定点観測のむら・鳥取と岡山の境にある新田に出向いてきた。「無私」について、考えている。無名とは違う。 「無私の日本人」を書いた磯田道史さんは書く。「他人のことを我がこととして生きた」ひとが「無私」と。妙好人と似ている。新田の集落にも、「無私…

比べるモノサシはなくするほうがいい

見なければいいのに、つい、見てしまうものに、テレビがある。わけても暮れのテレビは、見るものじゃないと分かっていたが、ポチとつけた。 インタビューをしていた。「ことしは、どんな一年でしたか? 来年は?」 まだ、こんな陳腐なことをやっているのか。…

連れ合いの心地よさ

「私の賭けは、車谷長吉を連れ合いに決めたこと」などと書く覚悟。このところ高橋順子さんにサインにしてもらった「けったいな連れ合い」(PHP研究所、1400円)にくびったけである。 気骨な作家と暮らすのは、さぞかし大変だろうと思いきや、「面白い…

後継はいないのだろうか。

「群馬県南牧村で唯一のうどん店「井上うどん店」(同村大日向)が30日に閉店し、約100年の歴史に幕を下ろす。創業から一貫して手打ちにこだわり、住民や観光客から長年愛されてきた。4代目の井上倍夫(ますお)さん(51)が過労で膝を痛めたことなどから、…

クラウドファンドでひん死の農村集落はまもれるのか

住むひとが年をとっていき、子どものいない農村集落は、守っていかなければいけないのだろうか。ひとに死があるように、農村集落にも死はある、最近、そう感じてきた。 対極の考えもある。そうした集落ではじまったのが、クラウドファンドを使っての生き残り…

ブログは、ベタ記事のにおいがする

なんとなく、思った。もしかして、ブログは「ベタ記事」じゃないかと。まだ、「トロッコ」(いまでも、こう呼ばれているかどうか)時代のこと。先輩から「ベタ記事ほど、眼を皿のようにして読まれるから何度も書き直して書け」と。 たしかに、そうだった。ベ…

暖房費を「激約」

今季はまだ、数回しか石油ストーブをつけていない。慣れないエアコンの暖房でごましている。生温かい「風」には、なじめない。これまでの冬シーズンは、一度たちともエアコンはつかわなかった。今季ほど、灯油の高騰にはへきへきしている。 暖房費の節約なら…

きょうを暮らす

朝あるくひんどが、めっきり減った。玄関まわりですませる。無理はいけない。ときおり歩く。かわす挨拶は「おかしな模様だね」が定番になった。 あと、10日ほどで年がかわる。かわったからといえ、なんの変化も、ない。 きょうを暮らす。

平明な文体を書いた新聞記者は、小学校しかでていなかった

古びない文体を開発するのが、新聞記者である。 明治時代には、小学校を終えただけでも、新聞記者になれた。新聞記者になるのに、入社試験が大学卒であることを、条件としなかった。このことが大記者をうんでいる。岸田吟香にしろ子母沢寛にしろ、長谷川伸も…

薄くなった「レジェンド」

薄くなった言葉が、いくつかある。「レジェンド」が、ぼくにとっての、それだ。つい、この前から使いだしたようにおもうが、薄くなった。 誰もかれもに、言うかんじがする。重いものではなくなった。 いつしか、言葉が、流行語のようになって忘れ去られるよ…

寝る環境は畳かベッドか

暮らしで、もっとも気くばりするのは、寝る環境である。6畳の間がおちつく。厚手のカーテンをひく。 大きさは、いろいろ試したが、ダブルサイズがいい。独りで寝るのに、ちょうどいい。シングルではせまい。 畳のうえにふとんをひくのがいいか、ベッドがい…

時代が「喰える」仕事をつくる

道すがら、ふと、思った。どの分野でも、先駆者ってすごい。市民権をえて、「喰う」までになるんだから。いまどきの、ユーチューバー。ほんの少し前の俳優。ましてや、陶芸家に作家。だれしも、「喰える」などと、思っていなかったはずだ。いまや、「先生」…

小さな倖せ

歩く。歩く。待てよ、すこぶる冬晴れだ。歩くのが、もったいない。洗たくしよう。掃除しよう。気持ちは、陽気に左右される。いいではないか。 あせらず、あわてず、暮らしを楽しむ。小さな倖せである。おおきな倖せは、しまっておく。 器にはいるだけでいい。

令和幕開けの大河。なぜ超高級官僚のかたぶつオジサン光秀なのか

来年のNHK大河ドラマの主人公は、明智光秀だ。令和の時代に、なぜ、光秀なのか? 政治の世界でいうなら光秀は、いわゆる官僚タイプ。政治が安定している社会においては非常に活躍する。そのまえの段階、つまり新秩序をつくろうとする社会では能力が発揮で…

愚をまもる

テレビ番組で不思議なのは、「ポツンと一軒家」が、なぜ、うけるのがわからない。空き家みたいな家さがし。面白い、とは思えない。ぼくの住まいの近くにも、空き家がアチコチにある。 ネットでさがしても、高評価ばかり。ただ、番組をつくるヒト、出るヒトの…

元巨人の川口さんが、母校の臨時コーチになるらしい

プロ野球経験者は、なぜ、高校野球を指導したがるんだろう。元マリナーズのイチローさんの去就がアレコレ取り上げられている。元巨人の川口和久さんは、早速、教えるようだ。 母校の鳥取城北が秋季鳥取大会で優勝。中国大会でも準優勝し、来春のセンバツ出場…

「牛汁」であたたまる

歩く。いい匂いがする。匂いに誘われた先は、産直市だった。ハクサイ、ダイコンにまじって、栃モチも。650円だけ買う。 「トン汁をどうぞ」。いただくと、豚ではなく牛だった。生まれてはじめての「牛汁」だった。底がみえるほど飲み干す。のみ慣れた「豚…