雑煮は、家の数だけある、とさえいわれる。
列島で一か所だけ、鳥取県では、三が日のあいだ、小豆仕立ての甘い雑煮を食べる。ふしぎに思えるが、おせちは酒の肴である。しょっぱい味のものがほしくなる。米飯を食べない正月のあいだは、雑煮でバランスをとるほかない。そんな生理的欲求から、甘い雑煮はつくられた。ましてや、小豆は高価な縁起物だった。祝いごとでもなければ、滅多に口に入らなかった。
小豆雑煮はぜい沢中のぜい沢である。
雑煮は、家の数だけある、とさえいわれる。
列島で一か所だけ、鳥取県では、三が日のあいだ、小豆仕立ての甘い雑煮を食べる。ふしぎに思えるが、おせちは酒の肴である。しょっぱい味のものがほしくなる。米飯を食べない正月のあいだは、雑煮でバランスをとるほかない。そんな生理的欲求から、甘い雑煮はつくられた。ましてや、小豆は高価な縁起物だった。祝いごとでもなければ、滅多に口に入らなかった。
小豆雑煮はぜい沢中のぜい沢である。