むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

聞き手の妙味

大学を出て新聞記者になって、聞き手と話し手という仕事が確立した。 40歳で、組織を離れた。一平卒になった。肩書きがなくなった。 フリー編集者。 誰も見向きもしないと思いきや、独立経営になって26年たつが、仕事のやり方はまったく変わらない。 聞…

叡智の極み

叡智とは多くを知ることではない。叡智とはなるべくたくさん知ることではなくて、どんなのが一番必要な知識で、どんなのがそうまで必要でなく、どんなのがもっともっと必要でないかを知ることである。 人間に必要な知識のなかでも最も大切なのは、いかにして…

大雪で傷つく過疎の村

陽気がよくなった。過疎の農村をクルマで、まるっと3日間駆ける。残雪が残る。民家の軒先が、へし折れている。大雪の残骸だ。 途中で、村人に聞き書きする。「大雪に痛めつけられたな。10日もソトに出れんかった」と。 20年付き合いのある手漉き和紙職…

哲学者内山節先生に逢いに、上野村まで出向いたときのこと

遠かった。 友人のY君に同行してもらい、片道12時間かけて群馬県上野村にいってきた。哲学者の内山節(たかし)さんに会うためだ。 アポの電話をする前までは、内心ドキドキ。会ってもらえるとは思わなかった。が、電話で用件をつたえると、半日ならいいだ…