むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

鳥取地震と『震災編集者』

ことしは、予期せぬ災難に遭った。 鳥取地震である。東北には2度、うかがわさせてもらった。 未曾有ーーこのことばの持つ力に、うなだれるしかなかった。 そこでの惨状は、この眼に焼き付いている。 だが、いざ、この身に地震に襲われると、弱い。 ミシミシ…

トライアウト

何を捨てるのか。自分で決めるしかない。 何を優先するか、ということになる。 今まであったものをなくすわけだから、リスクが伴う。 予測する。リスクを覚悟し、その代わりに自分がやりたいものを試してみる。 結果として、もしも悪くなったら、反省して元…

ひき出す術をしりたい

欠点は魅力のひとつになるのに、みんな隠すことばかり考える。 欠点はじょずに使いこなせばいい。 これさえうまくいけば、出逢いもふえる。

立ちどまる

自分の内側に生じたたくさんの人格を比べて、いったいどれが本当の自分だろう、と自分探しをするなんて、馬鹿げているし、ちっとも意味がない。 だって、どれもホンモノの自分なのだから。 誰しも、幸せになりたくて、安心したくて、愛し、愛されたくて、<…

暮らしのダシ

地図が白紙では困る。途方にくれるが、見方を変えれば、面白い。 白紙なのだから、どんな地図だって描ける。何もかもが自由で、可能性は無限に広がっている。 素晴らしい。 悔いなく燃やし尽くす。平凡だが、平凡ができない。

ひとのおかしみ

たいていの場合、ひとは成長とともに、自分がどう感じているのか、何を必要としているのかを語る言葉よりも、レッテルを貼ったり、比べたり、強要したり、評価したりする言葉を口にするようになる。 自分は自分なのに、おかしい。

ふしぎなみせすいたことばにうながされて

ひとりでくよくよするのは、避けたい。 人と話すのなら、ほめてくれる人と会うようにする。批評は鋭いが、よいところを見る目のない人は敬遠する。 見えすいたお世辞のようなことばをきいてどうする。 真実に直面せよ。 そういう勇ましいことを言う人もいる…

ものがたり

まがりくねった歩みでも、迷いどおしの足取りでも、歩きつづけることだ。 希望とは目的地ではなく、歩くことにある。 先は長い。 休んでも、歩くのをやめるわけにはいかない。 希望の大きなかたまりを一つ拾って器が満杯になるなら話は早い。でも、たった一…

風さわぐ

何をしていても、最初は一心不乱に前へ進もうとする。しかし、やがてその行為に慣れてくると、周囲の状況が眼に入ってくる。 それとともに前へ進むスピードが鈍るようになる。 大切なことは、風景が眼に入らないことではなく、入るようになったあとで、もう…

自分に問う

幸せを感じているときのほうが、リスクを冒すことも、他人と関わることも、拒絶や失敗を受けいれることも、積極的にできる。 反対に、幸せだと感じていないときは、自己防衛に走り、自意識過剰になる。

ひそやかな詞に耳聴き入る

黙って聴くことは、そのひとのことを決して否定せずに受け止める、ということである。聴くことは、話すことよりずっと、エネルギーがいる。 だけどその分、話すための勇気を得られる。

変幻の距離

大切にされるひとは、どこが違うか。 自分を大切にしている。「攻撃する人は、困っているひと」ととらえて、自分を被害者だと思わない。 決めつけない。今のありのままの自分と相手を受け入れる。 他人に大切にされなくても、気にしない。誰かにやさしくする…

優先順位の決め方には、いくつか重要な原則がある。すべて分析ではなく勇気にかかわるものである。 第一に、過去ではなく未来を選ぶ。 第二に、問題ではなく機会に焦点を合わせる。第三に、横並びではなく独自性をもつ。 第四に、無難で容易なものではなく、…

人生の現在地

湖は風景のなかで、もっとも美しく表情に富んだ地形的要素である、といわれている。大地の目である。 そこをのぞきこむひとは、自己の本性の深さを測ることになるだろう。 水辺に生えている樹々は、目をふちどる睫毛であり、森におおわれた周囲の丘と断崖は…

聴きいる

聞かれたら、そのことだけを話す。話し手が聞き手に質問するのは、自分の話をどのように思っているのかと、自分に関連することを質問している。 聞き手を続けるなら、話し手の立場にたって答えないといけない。 あなたの立場から答えると、話が行き違う原因…

おりおりの心

ひとさまのお世話をするということを、自分が「持ち出し」でやっていて、その分「損をしている」というふうに考えるところに最初のボタンの掛け違いがある。 贈与から始まるんじゃないんだから。ひとさまのお世話をするというのは、かつて自分が贈与された贈…

目がほしい

コミュニケーションは、鏡のようなところがある。 自分がオープンに話をしようとすると、相手もオープンに話してくれる。逆に、「合わないなぁ」と、言いたいことの半分も言えないと感じていたら、相手もそんなふうに受け止めていることが多い。 当たりさわ…

ふしぎやな

暑い日だった。 流れる汗さえ心地よいと思った。目に入るすべてのものがいとおしかった。 何もかもが美しいと思った。 道ばたの草さえも限りなく美しいと思った。しゃがんでみると、雑草が小さな白い花を咲かせているのが見えた。小指の先よりも小さな花だっ…

ひき出す術をまなびたい

やりたくて、やらねばならぬと思ったことだけをやりたい。 この思いが、加齢するにつれ強まる。 自分で嫌やなことは、おどされてもだまされても決してやりたくないから、誰にも嫌やがることはやらせたくない。

ゆらめくひとの痛み

ひとの弱い部分のひとつは、他人から干渉を受けたいという感情だろう。 好かれたいと思う感情が、通常、そのひとの内部の思考領域を限定する。その感情こそが自由を奪うのである。 暗夜にまたたく一点の星は、一点ゆえにかえって大きく光って見え、通行く旅…

変わるちから

心が変われば態度が変わる。態度が変われば行動が変わる。 行動が変われば習慣が変わる。 習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば、運命が変わる。 運命が変われば人生が変わる。 澱んでいてはいけない。

むらが生き残るにはパンづくりがいい。B級グルメは頭打ち。客寄せのイベントは徒労ばかりで、儲からない。

むらが生き残る方策が声高にいわれてひさしい。果たして具体的に何をすべきか。 人によりけり、地域によりけりだが、肝心なのは、経済的に潤うことだ。 人をどんなに集めても、地名が誰でも知っているほど有名になっても、観光客が殺到しても、地域にお金が…

道ばたの石

後悔することを恐れて口を閉ざしている人は、不幸に見舞われることがない代わりに、幸運にも出会うこともなかった。 口にしてみて、自分でも初めてそれと分かる真実もある。

無為のちから

誰に言われたのか「こうあらねばならない」という気持ちが、人を苦しめる。もっと溌剌としてればいいのに。 そんなの、いったい誰が決めたの? 「夢中になれるものを、何か見つけなきゃ」。べつにそんなものなくたって、ボケーッとしてる無為な時間が好きなら…

吉祥の実

今季はあかぎれ、ひびわれしない。ユズのおかげである。部屋じゅうユズの香りを賞(め)でることも出来る。 黄金(こがね)の玉。吉祥の実。 ユズの生り年で、食べてよし、美容によし。毎晩、2個ふろに入れて、ユズ湯を楽しむ。 人の身に益するユズである。

さわぐ会話

知らないことを知ってるふりして語るのはたやすいくせに、知らないことを認めることはなかなかできない。 そのためには、会話がいい。 ささいなことでも。 言わないと、知らないと、離れていく。

活きる言葉のしなやかさ

何ごとも、あるのが当たり前と思っていたら、その価値を見失う。 きちんと言葉に出して言わないと誤解を招くからである。 心の引き出しにしまっておく大切なものは、ひとつだけでいい。

情報の無力

行動や行いは変えられるが、そのチャンスには期限がある。 あまりにも長く弱化と消去を続けられた人や組織には、再生力すらない。 本当に伝える必要のある情報かどうかを考えれば、ほとんどの情報は不要であろう。

初雪が舞う

初雪が舞い散る。 音が吸われて、しんと静まる。 部屋のなかでも5度しかない。 重い雪だ。 雪との苦闘で身ぶるいしそうだ。

東條英機とむのたけじ

週刊新聞「たいまつ」の主幹・むのたけじが逝って、はや、4か月をむかえる。するどい口調で説いてきた時局が聴けないいま、むのがこれまで書いてきた原稿から読みとくしかない。 NHKテレビではじまった「東京裁判」。 政局がさわがしいときだけに、どれほど…