むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

里山の秋は、フルーツ?のタカラ?なんでもただで食べられる

ことしの秋は、いそがしい。栗が生り年だったので、セッセと栗拾いをした。栗ごはんをたらふく食べた。とおもいきや、柿が鈴なりだ。西条をとってきて、つるし柿に。熟れたのは、カラスに食べられる前にもいできて、牛乳と合わせて、ジューサーに入れてプリ…

あべこべのくに

長田弘さんの詩が好きで、ことあるごとに詩集ひらいてみる。「あべこべのくに」のことがでてくる。 いまはむかし あるところに あべこべの くにがあったんだ はれたひは どしゃぶりで あめのひは からりとはれていた つよいには もろい もろいのが つよい た…

まあるい死って、どんなのだろう

「人は病気になる。病人も家族も心はとんがる。人は死に直面する。心はとんがる。でも臨床で学んだことは、病気になったり、死に直面したりしているのに、まあるい心に変わっていく人の群れがあるということだった。いろんな力によって。そのことを話の中心…

小さな倖せ

朝寝坊した。遅めの散歩をしていると、季節の移ろいが肌に感じる。匂いと風は、記憶に結びついている。情景がすっーと浮かびあがる。 感じる、って心である。視覚だけでなく、五感を研ぎ澄まして感じる。窓を全開にして。 玄関を掃除する。トイレをふく。小…

芸術家・高木啓太郎の画技

おだやかなまなざしが、ひきしまる。すべる竹筆。技法にとらわれないかっ達な筆致。泣いたり、笑ったり、怒ったり、喜んだりと、自在に描かれる墨彩は、慈眼にあふれている。かじかんだ身体を温めてくれるかのように…。 「折々の感情が出とればええ。理屈は…

減らす養生訓

聞き書きで通うむらがある。鳥取県と岡山県の境にある新田という集落である。古老がここ数年、口をそろえて言う。 「最期は、ここで満天のゴールをむかえたい」。そのための処方として集落ごとの福祉に一生けんめいだ。みんなは、なんなで支えるのだ。ぼくの…

むらを崩壊する農地のバリアフリー化が、すさまじい勢いですすむ

すさまじい勢いで、土地改良事業がすすんでいる。農地に機械がはいれるように、デコボコをなおす事業である。だれのために、なんのためにしているのか、分からない。 はっきりいって、土建の政治である。虫食い状にアッチ食い、コッチ食いで工事をやっている…

「のぼせたら、終わりですね」

聞かれたらそのことだけを話す。話し手が聞き手に質問するのは、自分の話をどのように思っているのかと、自分に関連することを質問している。聞き手を続けるなら、話し手の立場にたって答えないといけない。 「のぼせたら、終わりですね」 昨夜見たNHK「プロ…

かくれ封建を生きる

寒村を歩く。ひたすら歩く。令和の寒村を歩く。とっくに伝統の村落共同体が崩壊しているのに、村人の心根はいまだに封建社会。着ているものは今なのに、巣食っている心は封建のまま。 都会地から移住してきた若者が放った。 「今って資本主義社会ですよね? …

ひと手間

手塩にかけるとは、よくいったものです。 ひと手間、ひと手間、時間をおしまず育てる。肥料はやらず、米のとぎ汁だけ、である。 毎朝、下の葉っぱからいただいている。

言葉は手仕事

75歳で亡くなられた詩人の長田弘さんに書いてもらった色紙である。座右の書ともなっている。 2004年12月25日。鳥取市のこぶし館であった講演会のあと、書いてもらった。本のなかのフレーズの一節である。 「手仕事のように自分の言葉を紡ぎなさい…

いつまでも農「業」は未来産業なのか。自家栽培こそ「業」である。

わがくにの農「業」は、ひん死寸前だろう。つくるひとがいない。ところが、どっこい、「未来産業」として注目されている、そうな。 いつの世でも、農「業」は、こう呼ばれている。おどろくことはない。。明治の世でも、昭和の世でも、平成の世でも、農「業」…

ぬか床は、新米をついたぬかでつくると美味しくなる

ぬか漬けをやりだして、8年と、まだまだ日は浅いが、コツのようなものがつかめてきた。どれだけ失敗してきたことか。ネットで見かける「作り方」は、参考にはなるが、そのままはやらないほうがいい。かんじんなことが書いてない。 ぬかの選別である。都会に…

鳥取の高校野球部員は、たったの800人。全国でも、9000人減る

高野連のHPを見ていたら、驚いた。野球部員が、「昨年より9,317人減少し143,867人で5年連続の減少」とある。「学年別にみると、1年生(新入)部員が48,036人、2年生部員が47,027人、3年生部員が48,804人となっており、1985年以来全ての学年で5万人を下回りま…

スタッフがささえたW杯ラグビー「JAPAN」の躍進

ラグビーW杯の「JAPAN」の躍進をささえたのは、黒衣である「スタッフ」だったのではなかろうか。ワンチーム。サッカー、バレー、野球などは、監督の名前を冠につけ「○○ジャパン」とつけるが、ラグビーは、つけなかった。メディアか、ラグビー協会の考えなの…

ひろう楽しみ、食べる楽しみ、あげる楽しみ

今季は、どうやら栗の生りどしのようだ。友人が持っている栗園に出むいては、セッセと栗ひろいして楽しんでいる。栗ごはんは、満足するほど食べた。 拾ってきた生栗は、一晩、水につける。皮をむいたら、灰汁をだすため、半日ほど水につけておくのがいい。大…

農起業の学生は、風の人の感覚がいい

定年後、京都の大学院ゼミで「農村社会学」をまなんだ。フィールドにもでた。農村での地域づくりの現場に、学生が駆り出されることがおおくなった。でも、若者が都会に憧れる時代は終わりつつある、と感じる。 感じるだけだ。 たまたま町のイベントから地域…

秋が深まると作家・立松和平さんとの語らいを思い出す

旺盛な作家活動と併行して、自然環境保護問題のほか、農山漁村のあり方、さらには仏教にと積極的な発言をしていた作家の立松和平さん(1947年12月―2010年2月)。18年前、田舎暮らし、農業について忌博のない話を、うかがったことがある。 「1年…

ムラのテッペンにあるパン屋さん

人口50人ほどの限界集落にあるパン屋さんだ。いつも、賑わっている。パンをどんどん焼いている。菓子パンなどの種類も豊富。予約注文も入る。喫茶も併設している。自家製ジュースやジャムもある。 勤め先で覚えたパン焼き技術を活かして、最初はガレージで…

菜園づくりは、自家製の土が生命

古民家の庭先に、トロ箱30個ほどならべて菜園をたのしんでいる。8年ほどだが、いまでは、近くのおばあちゃん、おじいちゃんから、「りっぱなものをつくるねえ」と、いわれるまでになった。義務感がないので、テキトウだ。 たのしみは、まるで「埃」のよう…

ムラは滅ぶーーポスト限界集落

「人の空洞化」→「土地の空洞化」→「ムラの空洞化」→「ムラの消滅」 これを前から順に言い換えれば、「過疎化」→「耕作放棄(減反)」→「社会的空白地域化(集落機能の極小化)」→「人口空白地域(廃村)」となる。 これに対応してどういう政治行政が行なわ…

B級グルメは、頭打ち。ムラで潤うパン屋さん

ムラが生き残る方策が声高にいわれてひさしい。具体的に何をすべきか。地域によりけりだが、肝心なのはお金が落ちることだ。人をどんなに集めても、地名が知られているほど有名になっても、観光客が殺到しても、地域にお金が落ちなきゃダメ。 村民が自信を持…

高校時代はバレー選手、ドラゴンズ育成枠1位に指名

長いこと、名古屋で新聞記者をしていたので、なにごとにつけて、気くばりをしている。プロ野球のドラフト会議で、注目選手がドラゴンズの育成枠1位で指名された。 高校(江南)時代バレー選手だった名古屋大学の松田亘哲投手。小さな体(176、83)がコ…

どこを歩いているのか。

どの新聞を読んでも、「当局」発表の記事が目立つ。どこを歩いているのだろう。

戦場のような台風の取材

台風19号の取材で、オールマスコミは総力戦で取材されたんですね。朝日新聞の三浦英之記者の痛々しいカメラが映しだされている。 本人が無事でよかった。まるで、戦場のようだ。

入団当時の虎「14」

プロ野球阪神タイガースの「14」も、40歳になる。高校1年から、ずっと見てきているファンとしては、虎ひと筋によくがんばっている、と思う。 20年ほど、朝日新聞系のスポーツブロック紙で編集長をしていたことがある。阪神の能見投手を追いかけていた…

草木は、腐らせろ

農村をあるくと、アチコチで煙がたちこめる光景にでくわす。雑草を燃やしているのだ。やたらと、草木を燃やしてはいけない。腐らせれば、いいだけのことだ。 古いものが腐りきらなければ、新しい芽はでてこない。腐るべきものがじゅうぶんに腐らないと、毒が…

サルとの生存競争

寒村に暮らしていると、晴れた日はせわしない。家事をすませ、そそくさと栗拾いにでかけた。友人の栗園で、10個ほど拾う。 枝に青々となっている栗は、やがて茶色くなって、ガマンしきれずにひらく。したに落ちているのを拾う。このところサルが落ちている…

小さな倖せ

いまは、季節からいえば、秋なんだろうか。日中の寒暖差がないので、さくもつの出来がわるい。葉物のそだちが、わるい。 わるい、わるいと嘆いても、さくもつは、育たない。可能性は、みつけだすものである。思考回路をかえることによって、探せる。探し出せ…

「里の哲学者」内山節さんと逢う

遠かった。 友人に同行してもらい、片道12時間かけて群馬県上野村に出向いた(2003年8月9日)。哲学者の内山節(たかし)さんに会うためだ。 アポの電話をする前までは、内心ドキドキ。会ってもらえるとは思わなかった。が、電話で用件をつたえると…