むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

かくれ封建を生きる

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 寒村を歩く。ひたすら歩く。令和の寒村を歩く。とっくに伝統の村落共同体が崩壊しているのに、村人の心根はいまだに封建社会。着ているものは今なのに、巣食っている心は封建のまま。

 都会地から移住してきた若者が放った。

 「今って資本主義社会ですよね? 村人も現代を生きているんですよね?あなた、おかしいと思いませんか?会話すればするほど、心根はちっとも変ってない。社会と道徳の授業で教わった封建社会じゃないですか。がんじがらめじゃ息苦しくておれません。来月、帰ります」

 ごもっとも。

 都会は資本主義を生きる。農村は景色は変われど、土はそのまま。住むひとの性根、意識、は封建時代を生きる。血は変わらず、昔のまま、だ。

 移住ばやりだが、よくよく調べてみると、定住しているひとの割合は少ない。

 定住できない、なにかがある。