むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

むらは亡ぶ

 平成20年から、一人であったり、数人であったりしながら、「むら」のことを歩きながら思っている。時代がたつにつれ、悪化している。とくに、行政の劣化がはげしい。たとえば、県、たとえば、市。職員が減った。仕事の問題意識、責任感がまるでなくなった。たとえば、地方新聞。めんどくさいことは、書かない。

 たとえば、農学。こんなふうに言われる。「農学栄えて、農業滅ぶ」。なりわいが滅べば、むらも亡くなる。

 「むらは亡ぶ」

 このように言いきった在野の農学研究者がいた。ぼくの師・村田廸雄先生である。