むらの幸福論

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選考前なのに、いいのかな? 春のセンバツで大曲工業高校に当確の報道。

 春のセンバツ出場32校は、今月23日に開かれる選考委員会で決定するのに、はや、当確の報道が出ている。
 

 大曲工(秋田1位)が鶴岡東(山形1位)に勝ち、春夏通じ初の甲子園出場をほぼ確実にした。1点を追う8回裏1死満塁で、代打小田嶋康太外野手(2年)が中前2点タイムリーを放ち逆転。9回表は、公式戦初登板の1年生右腕鈴木理公(りく)が3者凡退に抑え、そのまま逃げ切った。今日29日の決勝は神宮大会出場をかけ、仙台育英(宮城1位)と戦う。

 背番号2ケタの2人が、大曲工の勝利を呼び込んだ。1点を追う8回裏1死満塁、代打に入った背番号17の小田嶋は「強く、思い切り振ろう」と2球目のストレートを中前へと力いっぱい振り抜き、2人をかえした。県大会の代打で結果を出し、この東北大会では2戦で先発出場。だが1安打しか打てていなかった。大一番でのチームを救う一打に「うれしかった」。一塁上で小さくガッツポーズを作り、喜んだ。

 逆転したが、投手に代打を送ったため9回表に投げる3番手がいない-。武田龍成、山崎泰雅(ともに2年)の2枚看板は既に投げていた。阿部大樹監督(43)が「いなかったので。ぶっつけ本番です」とマウンドに送ったのが公式戦初登板の背番号11鈴木理だった。プレッシャーのかかる場面でも鈴木理は「ドキドキというより、待ってました」。「目いっぱい、まっすぐ投げろ」という阿部監督の指示通り、11球すべて直球勝負。初めてとは思えない堂々のピッチングで勝負を決めた。

 この勝利でセンバツ出場はほぼ確実となった。代表校に選出されれば大曲工にとっては創部53年目にして春夏を通じ初めての甲子園出場となる。指揮を執り21年目となる阿部監督は「まだ実感が湧きません」と話しながらも表情はうれしそう。試合中激しく冷たい風が吹き続けたが、勝利の校歌が流れると、まるで祝福するようにナインの顔を日光が照らした。

 今日29日の決勝では、同じく強打を誇る仙台育英とぶつかる。武田は「勝ってから喜びたい」。小田嶋も「自分たちらしい粘り強い野球ができれば」と気合は十分。松島との延長戦、花巻東との延長再試合を制し、逆転勝ちで決勝へ。勢いそのままに初の東北王者を取りにいく。【高場泉穂】

 日刊スポーツの記事である。

 センバツの取材は何度となくしてきたが、「出場校決定」の知らせは、当日校長のもとに電話があるまで心底分からない。

 ウワサでこうした記事が流されてはた迷惑するのは、高校球児である。