むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

冬の時代にさしかかる大学運営

大学運営に厳しい問いが突きつけられています。

 日本の4年制大学は、国立86校、公立88校、私立603校の計775校、教員は19万1000人だ。

 国立大学が法人化されたのは04年。少子化の時代、大学に特色や魅力がなければ学生は集まらず、私立大学は倒産の危機に瀕する。創意工夫がなければ大学が淘汰される時代となった。

容赦ない財政削減とともに安倍政権が進めているのは大学の選別と序列化、組織の統廃合にみえる。

 昨年8月の文科省の通達も国立大学の文科系学部関係者を震撼させた。教員養成系、人文社会科学系学部に「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換」を促している。

 「日本には文科系学部が多すぎる」「シェークスピア研究より英会話」は産業界からの強い声。自前で人材を育てる余力を失ってしまった企業が大学に求めたのは仕事に役立つ実学教育や即戦力人材の養成です。文科省通達は財界の要請を受け入れたもの。「国立大学から文系学部が消えるのか」の疑心暗鬼が広がった。

 学生は大学で何をすべきか。

 スペシャリストになるべく収斂して欲しい。