むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

まん丸の小石

 ひまで清流をながめていたら、小石に、なぜかひかれだし、拾っている。目的なぞ、ない。ただ、何気なく、である。「何げなく」という、あやふやなフレーズが好きである。じぶんの性格が、どっちつかずにあるためかもしれない。

 新聞記者のころは、正義感をふりかざしていた。良かれと、おもっていたので後悔はない。リタイヤしてみると、気恥しさがのこる。

 日本海のおおうなばらの波打ち際まで行って、小石を拾うと、まん丸いかたちをしたものが目立つ。上流は四角いゴツゴツした小石ばかり。小石も、もまれると、丸くなる。何気なく丸いほうが、やすらぐ。