むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

命がけの言葉

 語りつがれ、言い伝えられる言葉や写真は、命がけだけに、残っていく。

 師むのたけじに口述され、忘れられない言葉がある。「きびしさを語ろうとするなら、『きびしさ』という単語を口にするな。聴きおわった相手が自分からきびしさを感じるように語れ。やさしさを伝えようとするなら、『やさしさ』という単語を書くな。読み終わった相手が自然にやさしくなるように書け」と。

 ぼくにとって、「一生懸命」「信頼」「誠意」という言葉は、いまでも口にできない。