むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

一膳24円の価値

哲学者の内山節さんが、東北地方の農家の勉強会で語っていた。 「私はこれからは、農業にかぎらず、どんな分野でも、商品を半商品に変えていく関係づくりをしていったほうが面白いと思っています。そのことによって、暴力的な力を持っている今日の市場経済を…

司馬遼太郎さんの直筆原稿

『二十一世紀に生きる君たちへ』の扉に所収されている。 推敲に推敲を重ねた原稿だそうだ。 「長編小説を書くほどエネルギーがありました」と編集者に語ったという。 幾重にも重ねて想いを書いている。熱意だ。 呼びかけの呼称を「諸君」から「君たち」に替…

戦場ジャーナリストの先駆者

明治27年におきた日清戦争は、近代日本における初めての対外戦争だった。新聞社はこぞって従軍記者を派遣、速報をしのぎあった。 戦争の是非を問うのがメディアの役割だが、販売部数を伸ばして経営規模を成長させて「マスメディア」とするのも、戦争である…

手仕事のココロ

「伝統が重荷になってくるのはこれからでしょうが、自分が生かせるこんな素晴らしい仕事はないでしょうね」 江戸期から連綿と受け継がれている日本でも有数の民窯である鳥取県鳥取市河原町の牛ノ戸焼。 「しきたりは守っていかなければならない。でも新たな…

ふきのとうパスタにしよう!

春になると食卓に出ることもある「ふきのとう」。独特な苦味やクセがありつつも、一度食べると病みつきになる大人な味。食べごろは「つぼみの状態」といわれている。その方がふきのとう独自の苦味が少ないから。とはいえ、ふきのとうのプロであったり、食通…

文芸評論家 本多秋五の忘れ得ぬ故郷

本多秋五先生の”落ち穂拾い”をはじめて30年になろうか。先達の評論家のような確たる研究は、力量不足でおよばない。 名古屋タイムズでの新聞記者時代、いまは亡き木全円寿さん(同人雑誌『北斗』前主宰者)の「地元・挙母に残した本多資料を探せ」との指導…

今季の雪の降りかたは、おかしい

今季の雪の降りかたは、これまでと違う。明らかにおかしい。 一晩で、というよりも深夜からでも、朝方までに50センチは積もる。生まれて初めて経験する異常さである。 どか雪とまではいかないが、一気に降る。

独遊

見よう見真似で、ストラップをこしらえている。 楽しい。 自分で楽しんでいるだけ。

あの新人の作品が単行本になった。

――実際には体験していないことが、その場で見てきたかのように作品中で表現されています。登場する兵器や薬品を初めとする専門用語だけでなく、舞台となった場所の環境なども含めた詳細かつ豊富な知識が背景にあることが窺われます。そして、それらのディテ…

本のタイトルの大切さ。よくぞつけたり「腐る経済」

ベストセラーとなっている。田舎の本屋でも、まだ”一等地”においてある。2年前の9月に出ているから息の長い本である。 ひとことで説明するのが難しい内容である。いくつもの要素が折り重なりあい、盛りだくさんのとても欲張りな本だ。 3つの側面から、この…

万年筆は付録が重宝

万年筆について、はてなブログでも、たくさんのブロガーが取り上げています。文具メーカーのもいいですが、遊びがないですね。 重宝するのは、付録がいいです。付録とはいえ、使い込むと馴染んでくる。 それぞれ色違いにして”色万年筆”としてつかっています…

農地は農家のココロである

戦後の農地法はどのようにつくられたか。「農地改革は、他者労働(小作人)の成果を地主が領有する経済秩序を、労働の成果が労働の主体に帰属する経済秩序へと転換させた。この転換に伴い農地法は、旧い経済秩序を支えた地主的土地所有権を廃棄し、新しい農…

生命のあかしを絵と語りでつづる

一つの生命が、生きて、何かをし、そして死んでいった。 その人の果たした何かはーーそれすらわからない場合もあった。何かのまったくつかめない人もあった。 記録というものは、たぶん、そういう生命に呼びかける手段にちがいない。そう思っている。 一つの…

生活共同体のルール

自発性こそがすべての出発点であり、いのちである。上意下達、日当はルールとしない。 ゆるやかな結びつきを組織原理とする。参加者ができる範囲で、割ける時間をつかってやる。 グループとの結びつきは、水平型かネットワーク型とする。 正当性に固執しない…

ほたるいか求めて?応挙寺まで

ほたるいかを求めて兵庫県に来たので、ついでに香住町まで足を延ばした。 円山応挙の絵を観るためだ。香住町には「応挙寺」として親しまれている大乗寺がある。 写生派の祖とよばれる江戸時代の絵師、円山応挙(1733~95)と12人の弟子が、客殿の襖…

栄誉賞を断られた島根県と松江市。さすがビッグ

プロテニスプレーヤーの錦織(にしこり)圭選手が、地元である島根県と松江市からの県民栄誉賞、市民栄誉賞の授賞を辞退した。 13歳まで松江で育った錦織選手は、関係者を通じて「24歳の私はまだまだ発展途上。グランドスラム優勝、世界ランキング1位な…

「しない」選択

「効率」と「競争」に振り回されている。「しない」暮らしへの問いかけがある。 詩人と、ジャーナリストが同じことを言っている。 「わたしたちは、何をすべきか、でなく 何をすべきでないか、考えるべきだ。」 (『死者の贈り物』みすず書房) 長田弘さんだ…

ウソみたいなホントの話

朝日新聞のWEB版で、こんな会話を耳にした。 (転載、2015年2月3日、過密と過疎 小さなコミュニティの可能性) おばあちゃんの夜ごはんを食べたら家賃ただらしい。 山崎 フランスのパリには、アフリカなどの留学生と一人暮らしのおばあちゃんをマッチ…

名古屋市役所が路上演奏にライセンスを与えるというが・・・

名古屋市役所が、2015年度から、歌手や音楽バンドを対象としたオーディションを定期的に開き、合格者に公園や広場などでライブを開く認定証を発行するという。15年度当初予算案に関連事業費520万円を盛り込んだ。 路上あがりのバンドは多い。でも、…

里山の小さな農家は窮地にたたされるな。

農協改革をめぐる議論が決着した。 里山の小規模農家は、やめるところが出るだろう。 安倍政権の農業の大規模集約化ががいっそう強まる。 小規模農家が切り捨てられ、農地が荒廃する恐れもある。 改革によってガソリンスタンドやスーパーも手掛ける農協の不…

止みまなく降る。

昨夜から、止みまなく降った雪がつもる。 ことしは、昼間に晴れているかと思うと、夜になって途端に雪になるケースが多い。こんなとしは、初めてだ。 スキーなんか怖い。 どうしようもない。

愛知県には魔物が棲みついているのか?

このところ愛知県が新聞に載らない日がないくらい物騒なことが起きている。 今度もやらかしてしまった。 いっそ、厄払い?でもしてはどうか。 半田市の市議が、中学生たちが自分にあいさつを返さなかったとして、フェイスブックに「あいさつができない中学生…

ムラのいのち・・・4

管理放棄を未然に防ぐには、所有者の管理責任を問う方法がある。 これに関しては様々な方法が議論されている。「耕作放棄にともなう環境負荷の除去という所有者責務」を提起し、所有者による負担の必要性を説く。 また、林地については「林業人は“森林は林業…

谷崎潤一郎が愛した女性の挿絵

谷崎との短い新婚生活をすごした古川丁未子が描いた絵である。 同窓会雑誌の表紙を飾ったひな人形。

巨人・哲人

いつのころからだろうか、巨人中川一政さんの書に惹かれだした。 いつのころからだろうか、哲人鈴木正三の思想とあい向かいだした。その論文は、作家水上勉さんの隣りに並べられたことがある。 巨きなひとに挑むことは、楽しい。

イベントでないと補助金おりないから?

いつものことながら、年度末が近づくと多いのが、道路の舗装工事とイベントである。 道路工事なんか、痛んでもしない橋のうえのアスファルトを、わざわざはがして工事する始末である。 イベントも、そうである。土日になると、自治体がこぞってイベント。人…

ムラのいのち・・・3

「むらおさめ」の議論では“ポスト限界集落”の問題のひとつとして農林地、家屋の管理体制の確立、すなわち、財産の位置を明確にする「棚卸し」が必要であると指摘されている。 「棚卸し」は次世代が山村の資産を引き継ぐうえで極めて重要であるが、その実施は…

ホタルイカが水揚げ。まだ高いなあ

スーパーにホタルイカが並ぶようになった。 山陰というよりも、国内屈指の漁獲量を誇る兵庫県新温泉町で本格化。 今年は例年より2週間ほど遅く、1月下旬から水揚げが始まった。 但馬沖から島根県の隠岐諸島西方の海域で行われている。1箱(8~10キロ)の…

ガラケーの出荷台数が増えたって、当然のような気がする

去年1年間に国内で出荷された「ガラケー」の台数が、7年ぶりに前の年を上回った。 当然ともいえる。 民間の調査会社「MM総研」によると、去年1年間に国内で出荷された「ガラケー」の台数はおよそ1058万台で、前の年と比べて5.7%増えた。 調査会…

”トリ”に見えるかな?

”トリ”に見えるかな? 植生している「ネコヤナギ」が、ふわふわとした銀白色の花穂をつけている。 猫の尾に似ていることが、その名の由来だが、大きなくちばしの鳥が木にとまって休んでいるようにも見える。