むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

灰谷健次郎さん「殺気が出る人間はおもしろい」

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 作家の灰谷健次郎さん(1934-2006)の第一印象は、強烈だった。黒いひとが、殺気のようにやってくる、って感じだった。当時群馬大学の教授だった山西哲郎さんを介して知り合った。

 関西弁で、よく話す。作家というよりもランナーの印象のほうが強かった。

 教師も経験あった灰谷さんだけあって、先生のおこないにも話がおよぶこともあった。

 走ること、教えること、体を動かすこと、など盛り上がった。

「体を動かさないひとは、やっぱり魅力ないよ。体を動かすのがたいぎな若者が増えてきているようだけど、そういう娘には恋したくないなあ。
美しさというのは、動くこと。動くというのは、体だけではなくて、体を動かすと心も動くんです。そういう人間にならないとダメだと思う」
体罰として走ることを強制する教師。なにか悪いことをすると、お前ら全員走ってこい、とか運動場10周とかやるの。これはやめてもらわんとね」
「ゆっくり走っていると自己発見する。いろんなものが見えてくる」
「人間の魅力って、いろいろあるんですが、わたしは、殺気が出る人間というのはおもしろい。そういうものが伝わってくるのは、体を休ませとったんでは、出てこんやないか」