むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

限界集落は逃亡者たちの楽園である

 十数年、農村集落をじかに聞き書きしてきた。どうやら「井の中の蛙」であった。

 建築家の眼で、集落をみつめてきた原広司先生の好著にめぐりあった。「目からうろこ」とは、このことである。

 「集落の教え100」(彰国社、2500円)である。

 なるほど、とうなづけるのは、「山深いところにある集落は、逃亡者たちがきりひらいた」とのくだりである。