むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

「職人」の気概

 働きかたをめぐるはなしを聴くにつけ、それほど難しいことだろうか、と、いぶかる。若いときは、汗して懸命に働けばいい、とおもう。

 だかれにとやかく言われて働くから、カチンとくる。やりたいことを見つける。それに一途になる。ぼくは、書くことが好きだったから新聞記者になった。廃刊になったので、自分で編集「舎」をはじめた。個人の覚悟と責任だ。

 子ども2人を、どうにか大学に入れた。ある時期は、儲けた。おのずと高額な税金をはらった。この国は、納税国家だ。義務だ。払っておれば、恩恵はあるだろう、とおもった。

 日本型雇用の原型は、明治期の官僚や軍隊の制度だ。雇用慣行は歴史的経緯の上に今の形がある。明解なものが見つかるわけではない。

 社に就くのではない。職に就くのだ。ぼくは、「職人」の考えで仕事をしてきた。はびこっている明治は、払拭しよう。