むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

長田弘さんがこだわった「留保の言葉」とは?

 詩人の長田弘さんは「留保の言葉」にこだわった。
「言葉を走らせずに、たちどまるのが、留保である」という。

 平凡の価値は、失ってわかることを、コロナ社会で学んだ。それならば、今は、何をなすべきかではなく、何をなすべきではないかを言いうる、言葉の力である。

  何をなすべきかを語る言葉は、果敢な言葉である。

 何をなすべきでないかを語る言葉は、留保の言葉である。

 「戦争のおわりにつねにのこされてきた言葉である」と長田さんは言い残している。