むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

江戸の暮らしに学ぶ

 江戸時代の暮らしを学ぶ勉強会にでたときがあった。地域社会に、落着きがあった。人々は、「機嫌がよく」互いに気を遣って、不愉快なことをへらすことに懸命だった。

 両国の川びらきの花火。舟がぶつかる。互いに両方から謝る。そういう「文化」があった。機嫌がいいから、そうなる。

 現下、地域的な共同体を再建しようとしても、不機嫌だから無理だろう。つねに、だれかの失敗や失言を監視、水に落ちた犬をたたけみたいに。よってたかる。

 明日の見えない世、困難はこれからもひたひたと続いていく。けれども、困難は、また、ひとを磨く。穏やかで、平凡に、機嫌よく。