むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

言葉は手仕事

 言葉は手仕事である、ことを教えてもらったのは詩人の長田弘さんであった。

 その都度、手仕事について考える。「民芸」という言葉がある。なぜか、ずっと民芸である。おかしい。民衆がつかっていた下手物から起因するのに、貴族の芸のようなきがする。
 久野恵一さんというひとがいた。クルマの走行距離が一年間で3万五千キロ。一年じゅう全国を歩いて、作り手を指導していたプロデユーサーであった。自己流の民芸運動といった。

 手わざを伝えたい一心であった。眼力。作り手より、使い手をふやすことに手間をおしまなかった。