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むらの幸福論

暮らしのちいさなところに眼をむける。

聞き手の妙味

大学を出て新聞記者になって、聞き手と話し手という仕事が確立した。 40歳で、組織を離れた。一平卒になった。肩書きがなくなった。 フリー編集者。 誰も見向きもしないと思いきや、独立経営になって26年たつが、仕事のやり方はまったく変わらない。 聞…

叡智の極み

叡智とは多くを知ることではない。叡智とはなるべくたくさん知ることではなくて、どんなのが一番必要な知識で、どんなのがそうまで必要でなく、どんなのがもっともっと必要でないかを知ることである。 人間に必要な知識のなかでも最も大切なのは、いかにして…

大雪で傷つく過疎の村

陽気がよくなった。過疎の農村をクルマで、まるっと3日間駆ける。残雪が残る。民家の軒先が、へし折れている。大雪の残骸だ。 途中で、村人に聞き書きする。「大雪に痛めつけられたな。10日もソトに出れんかった」と。 20年付き合いのある手漉き和紙職…

徳永進さんが語る鶴見俊輔さん

鳥取市にある「野の花診療所」の徳永進さんが、鶴見俊輔さんについて、こんな話をしていたことがあった。 ▼ 学生のとき、同志社大学の鶴見俊輔さんの授業に顔を出した。 学生がイキイキと自分の意見を発表していた。 鶴見さんは、その人自身の意見であれば、…

哲学者内山節先生に逢いに、上野村まで出向いたときのこと

遠かった。 友人のY君に同行してもらい、片道12時間かけて群馬県上野村にいってきた。哲学者の内山節(たかし)さんに会うためだ。 アポの電話をする前までは、内心ドキドキ。会ってもらえるとは思わなかった。が、電話で用件をつたえると、半日ならいいだ…

メール派、声派?

「あたたはメール派、声派?」という携帯でのコミュニケーションのとりかたについての座談会にオブザーバーとして出た。男女20代から50代まで20人。 結論だけいうと、7割がメール派だった。まあ、「そうだろう」と納得した。 考え方の傾向として、若…

心の時間

時計は、ひとりひとりの胸のなかにあるものを、きわめて不完全ながらもまねて象ったものなのかもしれない。 光を見るためには目があり、音を聴くためには耳があるのとおなじに、人間には時間を感じるために心がある。 もしその心が時間を感じとらないような…

ルポルタージュの礎を築いた松原岩五郎

わが国のルポルタージュの礎をきずいた松原岩五郎。 『征塵余禄』(明治29年2月19日)の復刻本を出版して16年もたつ。 松原研究の第一人者、山田博光先生の助言がなければ、機を逸するところだった。 先生から「松原の古書が大量に出た」との電話が入…

編集の地産地消

「編集っていう作業は、かたちが見えないからボランティアよ」--ある町の町誌づくりに携わり、ほどなく経ってから担当者からこう言われたときは唖然とした。 県内外町村の自治体誌の編集に携わるケースが多い。 長いので6年(全国から比べると短すぎて無…

宮本輝さんも愛用する万年筆

チチッ、シェーン。華やかな店内の奥まった工房から、ロクロで万年筆の軸を挽(ひ)く音が聴こえてくる。ガラスで隔てられた畳一畳ほどが仕事場である。お客さんには見向きもせず、黙々と指を走らせる。 ペン先から軸までこなすオーダーメイドの万年筆職人の…

青山剛昌先生との1時間

「ない」とあきらめていた貴重な録音テープが、本のあいだから出てきた。いまや、人気漫画家として不動の地位を築いている青山剛昌先生との取材テープである。 そもそも、青山先生に初めてお会いさせてもらったのは、1991年6月だった。当時、27歳。週…

「近代文学」の論客・本多秋五の名古屋時代

本多秋五の”落ち穂拾い”をはじめて三〇年になろうか。先達の評論家のような確たる研究は、力量不足でおよばない。名古屋タイムズでの新聞記者時代、いまは亡き木全円寿さん(同人雑誌『北斗』前主宰者)の「地元・挙母に残した本多資料を探せ」との指導で、…

こころのすき間

ひとは住む場所を失っても、だれかの心の中に棲んでいられる。 ひとの心に隙間があるのは、だれかを迎え入れるためなんだと。だから、人はいつも寂しさを感じてしまう。 縁って不思議です。 ひとつの円になって繋がっている。

民藝に生きる陶工

「伝統が重荷になってくるのはこれからでしょうが、自分が生かせるこんな素晴らしい仕事はないでしょうね」 江戸期から連綿と受け継がれている日本でも有数の民窯である鳥取県鳥取市河原町の牛ノ戸焼。 「しきたりは守っていかなければならない。でも新たな…

2007年、阪神能見投手のインタビュー

20年ほど、朝日新聞系のスポーツブロック紙で編集長をしていたことがある。阪神の能見投手を追いかけていた。当時の記事が出てきた。 2004年のドラフト自由枠で阪神に入団した鳥取城北高出身の能見篤史投手。2シーズンとも思いどうりの結果が残せず「…

コンテンポラリーに生きる

渡辺京二さんの、コンテンポラリーが知りたくなった。『北一輝』からの出会いだから40年の付き合いになる。 『無名の人生』では、幸福論を書いた。「自分で自分の一生の主人公であろう」とした半生をもとに語っている。 むずかしい言葉はないから、2時間…

わがままな過疎集落

限界集落から、あやうく、孤立集落になる寸前だった。 まだ80センチは、ある。明日は晴れるようだが、一気にはとけない。 33年ぶりの大雪だが、油断していると、またたく間にひずみがでる。 いなかほど絆があるようにいわれるが、いなかほど繋がりはない…

寛かなれ

子どもが「チャレンジしてみたい」と言ってきたことにはできる限り応えてきた。 ここからが肝心。 子どもが習いたいと発言したことには、責任を持たせる。「つまらない」から、「飽きた」から、「うまくできない」からなどの理由でやめさせることはさせなか…

梅干しのシアワセ

おにぎりなのですから、たくさんのおかずはいらない。たとえ梅干でも、一つだけ「真ん中」にあれば、充分である。 シンプルな食事こそ、腹いっぱいになる。

下りるとき

習慣という<怪物>は、どのような悪事にもたちまちひとを無感覚にさせてしまうが、半面それは天使の役割もする。 終始、良い行いをするような心がけになれば、初めは慣れぬ借り着も、いつかは身についた普段着同様、おいおい肌に慣れてくる。 今宵一夜をお…

あけもどろ

習慣という怪物は、どのような悪事にもたちまち人を無感覚にさせてしまうが、半面それは天使の役割もする。終始、良い行いをなさるようお心がけになれば、初めは慣れぬ借り着も、いつかは身についた普段着同様、おいおい肌に慣れてくる。 今宵一夜をおつつし…

しかたがないひと

理不尽なひとと触れ合うことは自然と触れ合うようなもの。大自然と触れ合えば、「しょうがない」という心持ちや「仕方がないこと」という心持ちが生まれてくる。 「このひとありきで物事を進めるためにはどうすればいいのか」といろいろなことを考え、工夫し…

ふしぎな運

運はひとの努力で呼び込めるものでもなければ、つなぎ止めておけるものでもない。どこからともなくやって来て、ひとの手の決して届かないところで物事の左右を決して去っていく。 そういうもの。それだけにとても歯がゆい、悔しい思いもするけれど、運なくし…

自責の重み

「他責」で考えがちな現象に対して、「自責」の視点を持ち込んでみると、それまではしようがないと思いがちだったことに対して、驚くほど、自分ができたはずのことが見えてくる。 「他責」で考えていると、問題の解決は他人任せになってしまうが、「自責」で…

不安のゆくえ

「不安は力なり」そう言っても、決してオーバーだと感じない。不安がなければ、こんなふうに毎日を生きてはいられないのではないか。 頭から不安を追いはらおうなどと考えずに、不安を生きる力とする道をさがしてみたい。

断つ発想

質素に暮らしたいとねがいながら、たくさんのモノを常に持とうとし、なくなったら買い足すことに躍起になっている。 見直す。 本当に必要か。ときどき自分に問うて、しかも買わずにすます方法はないのかという発想をともなって考えてみる。

谷川さんと樹木さんが鳥取で対談予定

「野の花通信」27号が来た。 いつものことながら、しばし、「死」について考える。読んだら、すぐ忘れるけど。 徳永医師が「あいさつ、大切だなと考えられる」と書く。 長いのではし折る。最後で、こう結ぶ。「かける言葉に心がくっつく。人が毎日、家を出…

ちいさなこと

できない理由を探すから、不可能に思える。できる理由を探していけば、不可能を可能にする方法が必ず見えてくる。 達成できないと思えてしまうのは、一つひとつの小さな目標を達成する速度が常識的だから。目標を達成するのにかける時間は、常識から計算して…

みちあふれる孤

寄り添って生きる家族であっても、おのおのは個で、孤である。 孤独は不幸ではない。 孤独こそが、ひとをひととして生かせる個の尊さである。 ひとりいてこそ満ちあふれる。

問題への模索

「なぜ」「どうして」というあれこれの好奇心。 問題は、そうした好奇心を母胎に、心の中からわいてくる。 外から一方的に与えられるものだけが「問題」なのではない。 「問題」は、それぞれの人間が”つくる”べきものなのである。テレビはなぜ見えるんだろう…

驚き。Yahooニュースの目配り

Yahooニュースも、細かなところまで目配りするようになって、おどろいている。 沖縄県宮古島市の大神島の自治会が、島の歴史や伝統文化などを記録した生活誌「ウプシ」を出版した、というのだ。 県、市レベルの「自治体誌」を20年ほど編集しているわたしに…

まなぶ力

不満からは何も生まれない。不満たっぷりある状態では、「気づく」ことができない。 むしろ苦しいことがあるなら、それをどうすれば楽しめるようになる。 学ぶことを決意したひとは勁い。

さりげない持続

コンディションが悪いと、どこかが狂っていて、すぐに落ちてくる球しか投げられない。 あるいは、無意識のうちに山なりで投げることをやめてしまい、真っ直ぐに普通に投げる。 感覚が冴えていないのである。 距離感が悪い、といってもいい。 山なりに軽く投…

はんなりした生きかた

ひとの生きたかには、いろんな評価軸があっていい。引き出し(価値軸)とおいかえてもいいだろう。 例えば、「社会に貢献すること」も、価値のある生きたかである。「仲間がたくさんできること」も、豊かな人生につながる。 「知識や経験が増えること」も、…

ひとの口がやかましい

生きていれば、必ず失敗したり、たたかれたり、何かがある。そんなとき、家族の支えがいちばん必要になる。 元気なときには気づかないけれど、支えるほうも、支えられるほうも、病気になればお互いのありがたさが身にしみる。 失ってみると、その存在の大き…

わかってるのかな

なにかを語り伝えたいと願うときとは、きっとなんらかの変化が起きたときである。 喜びか、悲しみか、驚きか、定かではない。 とにかく、永遠に続くかと思われた日常のなかに非日常性が忍び入ってきたとき、その出来事や体験について、誰かに語りたくなるの…

ことばにだす

あるのが当たり前と思っていたらその価値を見失う。 きちんと言葉に出して言わないと誤解を招くからである。 心の引き出しにしまっておく大切なものは、ひとつだけでいい。

ひとの恵み

夢を描き、実現しようと行動に移したときに、まわりにはおのずとひとが集まりはじめめる。応援したいという集まるのである。 根気が必要だ。 焦ることはない。

玄関先をふさぐほどの大雪

記録的な豪雪となった。 昨夜、さらに大雪となって、ライフラインにも支障をきたしつつある。 集落を流れる側溝に雪を流しこむため、一気につまって、道路に水があふれてきた。 玄関先もかいても、かいても、おっつかない。

パウダースノーが降ってくる

昨夜から、また、大雪となった。 パウダースノーが、止みまなく降る。もう、ひざぐらいまである。 明日も降るようだから、どこまで積もるか。

平凡がいい

よくあるコーチングなどの「もっと積極的にひとを褒めましょう」的なテクニックでは、この「褒める」という動作がともなう自己価値の否定のリスクを考慮していないのが盲点だと思う。 なかなか相手を褒められないのは、褒める言葉やその効果を知らないからで…

逢えない自分に逢う

相談をうけるひとは、相談をするひとの何倍も幅広い知識や経験を持っている場合が多い。質問をして得られることは、その相手の持つ知見のうち「質問者が思いついた範囲のことだけ」である。 しかし「他に何かありませんか。なんでもいいです」といえば、相手…

かけがえのない一日にする

大切にされるひとは、どこが違うか。 自分を大切にしている。「『攻撃』する人は、困っているひと」ととらえて、自分を「被害者」だと思わない。 決めつけない。今のありのままの自分と相手を受け入れる。 他人に大切にされなくても、気にしない。誰かにやさ…

ゆっくりと、深く、気をくばりながら、

聞かれたらそのことだけを話す。話し手が聞き手に質問するのは、自分の話をどのように思っているのかと、自分に関連することを質問している。 聞き手を続けるなら、話し手の立場にたって答えないといけない。 あなたの立場から答えると、話が行き違う原因に…

大自然の書斎

理不尽なひとと触れ合うことは、自然と触れ合うようなものだ。大自然と触れ合えば、「しょうがない」という心持ちや「仕方がないこと」という心持ちが生まれてくる。 「この人ありきで物事を進めるためにはどうすればいいのか」といろいろなことを考え、工夫…

それぞれのこころの中

追い詰められても、だれも親切にしてくれない。だから人を拒絶していいのか。善意を示してくれた相手を見捨てることの理由になるのか。 絶対の善意でなければ、信じることができないのか。ひとからこれ以上ないほど優しくされるのでなければ、ひとに優しくす…

変幻の距離

心が通わないといって、みんなお互いに傷つき、お互いを傷つけている。 となりのひとが何を言っているのか、何を考えているのかよくわからなくても、いいじゃないか。 親や子どもと、日本語が通じて、一緒に暮らせて、触れると温かくて、作ったご飯を食べて…

見える分量

リーダーは「見えないもの」を見て、あるいは見ようとして、新しい世界をつくり出すのに対し、マネジャーは「見えるもの」を分析し、それらに受動的もしくは能動的に対応しながら、漸進的に問題を解決していく。

伝え合う重み

「言えば直すだろう」というのは、残念ながら伝える側の思い込みに過ぎない。相手に何かを伝え、行動を変えさせるためには、常日頃から、「その人を大切に思っていること」「尊敬していること」を伝え、信頼を築くためのコミュニケーションをしていなければ…

ふしぎな身体

見かけにだまされないように、しよう。現実はひとつきりである。 だましているのは、おのれのこころである。 なぜなら、自分が可愛いからから、嘘をついて正当化しようとするからである。 空っぽにすれば、分かることなのに。